競技人生のはじめから終わりまで。
年齢によってどういう動きのもって行き方をするかという観点で
パフォーマンスをとらえる時に、若いうち(まだ先がある選手)は、どんどん短所を潰して
様々な動きにチャレンジできる。
こういう動きにもっていこうとカチっと型にはめこもうとすることで、その先の身体的な成長や心の成長に伴う
選手の価値感を狭めてしまう可能性がある。
『個性』という言葉はあるけれども、たとえば膝が壊れやすい動きや腰を傷めやすい姿勢。
また、肉離れを誘発しそうな動きというのは走る上で確実に存在する。
幼く、パフォーマンスが上がっていないうちはまだ直接的に故障につながらなくても、筋力が上がってきて
ピークを迎えようとしている時にそういった癖が大きく残っていたら、選手を故障で苦しめてしまう可能性が
グッと高くなってしまう。
そういう個性は早期に発見して慢性化しないうちに修正したい。
ただ消してはいけない個性 その選手身体のバランスを見越して必要そうな動きを多方面からトレーニングや意識を加えて
中長期的につくり上げていくことで、その選手の成長につながることがある。
若いうちはそういう意味でも短所を消しながら長所を伸ばしたり、未知のトレーニングや技術に足を踏み入れて新たな発見を
することができる。
一方で、もう集大成と呼ばれる領域に入っている選手はどちらかといえば、今もっている短所を消しにいくというよりも
今自分が持っている長所(武器)を磨きにいく方が、記録につながりやすいようにも思う。
限られた体力と時間の中で、短所を消しながら長所を伸ばしたり、多岐にわたるトレーニングを実施するだけのバランスをとるのが難しい。
欲張ると大会で結果に結びつかずただのオーバーワークになってピーキングがうまくいかないことの方が多いように思う。
今私は両極の選手を見る立場にいる。
基本練習の中にある程度短所を消す練習を入れているが、若い選手はまだ高負荷の練習をしているわけではなく、
トレーニングバリエーションも今後どんどん身体的な成長、また人生経験を積むことによって得られる知識や発想力。
そういうものが高められることにより吸収力が上がるタイミングで一気に成長を促すタイミングが競技人生では存在する。
そこまでにある程度、柔軟にそれを吸収できる基礎の基礎という力を小学生の若い時期につけておきたい。
それが一貫指導の良さだと感じます。