ケアの重要性

身体は消耗費。

アスリートは時の流れとともにそれを実感することになる。
特に第一線で勝負しているアスリートは、体の少しの違和感を察知できるし
それに対しての対処も早い。

つまりそれくらい自分の体に対して感覚をしっかりと持っているし、大切にしている。

陸上競技の短距離種目に関して言えば、『道具』というのはスターティングブロックだけで、
後は体一つでパフォーマンスを発揮しなければいけない種目になる。

心・体・技術のバランスと仕上がりがより顕著に出てしまう競技といえる。

幼いころは体を繊細に感じ取ることも難しいし、そこまで高い出力で力を発揮できるわけでもない。
筋肉のはりや疲れなんてものもよくわからないだろうし、自分の状態を言葉で表すにはまだ早いような気もします。

その時々の気持ちの変動によるパフォーマンスの振れ幅が大きくて体の状態がパフォーマンスに直結しない。

私自身も競技をする中で「ピーキング」を意識し始めたのは大学に入ってから。

100mというミスの許されない世界で、満身創痍で重要な試合のスタートラインに立っている時点で勝てない
と感じてから、どれくらいのタイミングから疲労を抜いていけばいいのか?

何をすればイメージや体力を落とさずに高めながら、疲労を抜いていけるのか?を繊細に詰めた。

重要な大会では「疲れているなりによく動けたね」というセリフは使えない。
その言葉を口にした時点で負けてるんですよね。

ビッグゲームになればなるほど、トップ選手は崩れなくなる。
それくらい合わせるのがうまいものです。

これはどのタイミングから強く意識し始めるのが適正か断言するのは難しいですが、
「体のケア」と一言で言っても、幅広い。

鍼一つとっても多数の流派があるし、その手技が自分に合うかもわからない。
マッサージの合う合わないもある。
食事・栄養での合わせ方や選手寿命の関係もある。

自分の体調にあったコンディショニングをそのタイミングで見つけていくことが、競技人生を長くしたりパフォーマンスを向上させ結果を残す
上では大きなカギになるでしょう。

私自身は練習を追い込み過ぎたら
・取りたい姿勢が取れない
・思考力が落ちる 忘れ物が増える
・眠りの質が悪くなる
・ストレッチしたくなくなる
などいろんなバロメーターを練習のタイム以外にもっていた。

その状態を仮に3/10 だとしたら 10/10(全開)にするためにはどれくらいの期間を使って、回復させるのかを逆算して
トレーニングを積み、体を徹底的に追い込んでピーキングしていた。
回復するにあたって
・姿勢がよくなる
・筋肉の弾力性がでてくる
・朝起きやすくなる
などを感覚的に感じて数字として残しておいた。

その積み重ねが大会で安定して記録を出す一つの要素(まだあります)になった。

練習して使いっぱなしで終わり じゃない。
何もしないことが体を鈍感にさせて選手寿命を短くしてしまう。

自分の体の変化に気付けるアスリートになる。

違和感があれば体調管理に走る。

突発的は怪我も、前兆がないわけではなく、何かしらの理由があることが多い。
その原因に気づけているかいないか‥原因がわかっているかいないかで大きな差が生まれる。

ただの部活からアスリートになるためにはこのラインを越えてプロ意識をどこかで持たなければ
ならない。

それは経験を積んでいく上で‥いつか必ず壁となって出てくるだろう。

その時にこういう話しができれば‥と思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です