速く走る
そのために練習する。
同じ練習でも、その選手一人一人が生きてきた人生経験・想像力‥取りまく環境によっても
その練習の本質に辿りつく速度は違う。
生きてきた体験の中で五感で何をどう感じてきたのか。
そしてそれをどれだけの熱量を持って
走る事に対して速く走るという目的の周りに要素を集めてつないでいくことができるかだと思う。
1日24時間。
自分達に平等に与えられている時間。 練習の時間なんてせいぜい1~2時間程度。
しかも毎日練習できるわけでもない。(そこには休息とのバランスもでてくる)
練習で行うメニュー例えば「スキップ」をするとしても、スキップにもさまざまな意識ややり方がある。
それをただ何となくこなすのか‥自分の経験や体験をもとにイメージし走りにつなげるにはどうすればいいか感覚を模索できるようになるのかで、
成長速度は天と地ほど広がっていく。
コーチとして選手に与えられる意識や情報というものもあるけれど、その選手がどれだけ集中し、思いを持って
普段の生活を過ごし、どんなイメージやどんな意識でそれをやろうとしているのかで結果は違うものになっていく。
これは私自身もだれかから教えられたものではなく速くなるにはどうしたらいいのかを常に考え生活していると、
自然と体や動きを意識した生活へと変わっていきましたし、目に飛び込んでくる他愛もない情報さへも走りのイメージへつながってくることもある。
歩き方・鞄を持つ手・階段をどちら足から登るか・どうやって降りるか‥私生活・学校生活で何ができるか考えてましたね‥
陸上を「ただ走る」という浅い価値観でとらえているうちはなかなか進むべき道というのが見えてこない。
走るという基本の動作を極めようとする。うまくなりたいと本気で思うと①探求心が生まれる。
そして負けたくないと思う②闘争心が生まれる。
この2つを持つまでにどんな経験が必要なのかは説明できないですが、
それをトライ&エラーを重ねながら経験を重ねていくことによって味のある‥また高みへ進もうとする生き様が滲みでた動きへ進んでいくと私は考えています。
私は陸上を始めてからもう直ぐで20年になる。それでもこれをやれば正解という答えは陸上にはないなと今でも思っています。
しかし速いだけでなく、強い選手が存在します。
どんなコンディション 雨が降っても・向かい風でも・・周りに強い選手がいても‥自分の持ち味を発揮してまとめて勝つことのできる選手。
その選手は自分の心身をコントロールすることにおいてもプロフェッショナルで、自分の体の感覚の誤差に気づいて修正する方法を知っている。
帳尻を合わせることのできる選手は最終的にいいコンディションでしか記録の出せない選手から負けない選手へと進化していく。
食べたものや、前日にどんな生活をしたかで翌日の体調は簡単に変化する。
その変化を察知し、「本日の動きのコンセプト」が決まる。※修正力
最初から安定した動きができる選手なんてまずいない。
記録の振れ幅はベテラン選手より大きく、不安定なのが当たり前。
人生の中で様々な経験をし、それを糧として表現しようする。
その積み重ねを強い思いを持って続けることができる人間はきっと多くのことに気づき、多くの引き出しを持った選手へと押し上げてくれるでしょう。
私はこの競技経歴を通じて得てきたその引き出しと要素を消化できるように与えていける存在になりたい そう考えています。