小学生期のトレーニングで大切にしている考え方

小学生期のトレーニングで大切にしている考え方

 小学生の練習は、中高生ジュニア期の内容をそのまま負荷だけ調整すれば良い、というものではありません。
なぜなら、小学生とジュニア期・シニア期の選手では、身体の前提条件が大きく異なるからです。

小学生は体が軽く、筋力や体重の負担も小さいため、
つま先接地で回転数を上げるような走りをすると、一時的に速くなるのは目に見えて分かります
しかし、体重が増え、身長が伸びたときに、その走り方が成立しなくなり、
ジュニア期以降に伸び悩むケースもまた、はっきりと見えてきます。

成長過程にある小学生は、体重や身体バランス(比率)、関節や筋の安定性がまだ完成していません。
この時期は、身長や筋量の変化によって、ある程度「自然にタイムが伸びていく」段階でもあります。

だからこそ私たちは、
将来、体が大きくなったときの身体バランスをイメージしながら、今の動きを整えていくことを大切にしています。

ジュニア期からシニア期にかけて、
身体の使い方を磨き続ける時間は、小学生期よりもはるかに長くなります。
その長い期間を見据えたとき、
「今だけ速くなる」ことが、ただの一時的な成長の喜びで終わらないような道筋をつくることが重要だと考えています。

私たちが小学生期で重視しているのは、
技術を完成させることではなく、心身ともに消耗させすぎないこと
そして、将来の関節や筋系の故障トラブルを減らし、長く競技を続けられる身体を育てることです。

そのために、
・地面反力の「もらい方」
・力の「受け止め方」
・身体全体の「使い方」

といった大枠の感覚に留め、
手足の細かな振る舞いやフォームの細部は、身体が成長してから身につけていきます。

小学生期は、
今速くするための段階ではなく、将来もっと速く、そして長く走り続けるための土台づくりの段階
その考え方を軸に、日々の指導を行っています。