身体をコントロールする上での過程。

人間というのは賢くて、器用な動物。
生活していく中ではそっちの方が色々便利な事も多い。

ただ走る上ではそれがいい方向に働く事も悪い方向に働く事もあるように思う。

「小手先の技術」というように、手先/足先で何とかしようとしてしまう事が案外デメリットとして働く事が多い。

今から10年以上前。
朝原さんが現役で走られていた頃 何度か一緒に練習させて頂く機会があった。

その時に、技術的な意識や感覚の話しをした。

その時のやりとりが印象的で、ずっと記憶に残っている。

矢野「朝原さんって接地ってどういう意識してるんですか?」

朝原さん「自分の末端がどうなっているかなんてわからないよ」

矢野「!!」

これはつまり、末端を意識していないということ。
中心つまり、股関節や丹田 センターに意識を集中しているから末端を動かしていないよ という意味が込められていた。

そこまで強烈にセンターを意識して末端を連動させる事ができていた朝原さんの感覚とそこまでコントロールできるようなトレーニングを積んでいた事に対して敬意しか出てこなかった。

ただ、その結果を一発でできればいいけど、
その結果を作りだすためには末端を意識して感覚を得る事が必要なのかもしれないし、難しいよね」という話しもした覚えがある。

ずーっと中心ばかり意識できていればいいけれど、
その日の体調や調子、その時取り組んでいるトレーニング過程では末端に意識がいってしまう過程を辿らないと、次のステージへ辿りつけない事もあるかもしれない。

きっとこれからそういう経験が幾度となく訪れるだろう。

そういう経験をするだろうとわかっていても足を踏み入れるないといけない勇気。
技術的な変革。

技術を小手先でするのではなく、新しい取り組みをする中で乗り越えないといけない事はある。

末端や小手先から入ってそれを極めようとする上で効率的な意識を身に着ける。

知識をインプットするだけでなく、アウトプットする能力、新しい環境や知識、経験を受け入れることのできる人間力(人格や賢さ)

真剣に上を目指す上では、受け止め、受け入れて消化していく事が重要。

競技場以外でも節制し自らを高める事に喜びを感じる事ができれば、自ずと結果はついてくる。

幼いうちからそういうことを求めすぎることが正解とは一概に言えないかもしれないけど、

何かに夢中になる ということくらいは次のステージを見据えて伝えたいし経験させてあげたい。