感覚を追い求める。
短距離走において、ある程度こういう動きで走れば速く走れる。
という相関は出ていても、そこに辿りつくための方法論や感覚というのは様々で、
「正解」というのはなかなかないのかもしれません。
ただ長年陸上短距離をやってきて、こういう動きに近づければ速く走れるんだな‐・・・
とかその方法論というのも経験も含めて説明していくことはできる。
接地について考えてみたい。
私自身フラット接地をこれまで追い求めてきた。
「ただそれは単純にフラットについて終了」という簡単なものではなく、案外奥が深い。
私の全盛期大学4年目の動きのコンセプトとしては、体の背面をいかに使って走れるかという部分だった。
なので体の軸も背骨のラインに作るようなイメージだったし、トレーニング自体もそういう意識に寄せていた。
意識の中心は常に骨盤や尾てい骨付近にあった。
これは人間(大人)の重心が大体そのあたりにあるということと、末端の小さな筋を意識するよりも
中心の大きな筋を狙って動かしながら末端へ動力を伝える方が効率的だという観点から。
末端は極力「結果」になるようにトレーニングしていく。
重心の取り方、抜け方、走るにしても筋力トレーニングをするにしてもそこを狙ってトレーニングしていて
その結果としてできていた接地がミドル気味の接地だったように思う。
ただここ数年、何となく体の感覚や姿勢も年齢に従って変わってきて、軸をとる場所が数センチ前へずれてトレーニングしている。
これも結果といえば結果だし狙っていると言われれば狙っている動き。
乗り込みのタイミングとフォアフット気味のフラット接地を速い速度でも対応して作れるようにすれば、大腰筋の活動だけではなく
腱の反射も使いながら走れるような感覚がありそうしている。
ただこれも初めに述べたポイントと同様に、フォアフット接地を末端から狙いにいくと全然違った動作になってしまう。
ここに辿りつくまでには辿って行かないといけないプロセスがあって、そこを踏むことで意味のある動作へと変身するという
ことのように思う。
今私が小学生に教えているドリルはまさしくその過程の一番最初の段階を教えていて、ここ数年で伸びしろを使い切ってしまうという
イメージではなく、体が成長していった時にそういう動きへともっていくための軌跡だと考えている。
きつい練習をさせなくても、走る感覚を成長させることができる。
体力(体力の定義はいろいろありますが)を付けるのはこれからでも遅くない。
体力があればパフォーマンスが生きるし、されにできる事も増える。
その体力のつけ方もまた重要なポイントになる。
見た目のイメージにとらわれず本質を見てアドバイスすること。
これが大事なんだと思います。
選手に乗り移ることができれば、今軸がずれていて不快だろうな‐とか、タイミングのずれが目に見えてわかるようになる。
これをもとに意識するポイントを咀嚼して伝える。
これは指導においても同じだし、自分自身をコントロールするという点についても同じ。
細かい部分は後で、まずは粗削りでも優先順位の高い要素から教えていく。
その積み重ねが成長スピードを加速させていくことでしょう。